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Frank Zappa「You Can't Do That On Stage Anymore Vol.2」

ライブアルバムシリーズの第2段。
ライブをベースにスタジオアルバムを作ったり、このシリーズ後半では年代の違うライブを繋いで1曲にしてみたり、と編集の鬼だった彼にしては珍しく、一つのライブをまるごとパッケージしている。

録音されたのは、1974年9月22日(僕が生まれた年だね)。場所はフィンランドはヘルシンキ…だそうな。
ま、付属のブックレットに書いてあるけど一応、メンバーなんかも。
ナポレオン・マフィー・ブロック(Sax/Vocal/そして肺炎!)、ジョージ・デューク(Key/Vocal)、ルース・アンダーウッド(Percussion)、トム・ファウラー(Bass)、チェスター・トンプソン(Drums)、そしてザッパ(Guitar/Vocal)。
同時期のライブを収めた「Roxy And Elsewhere」とメンツはほぼ同じ。

1曲目、やたらとムーディーな曲「Tush, Tush, Tush」から始まったときはちょっと不安になった。
最近僕の嗜好がインストに向いてるってのもあるけど、こういう歌ものって、なんか緊張感がなくて好きになれない。

その後、まったりとした「Stinkfoot」を乗り越えると「Inca Roads」が始まる。これが収録されるのが翌年発売される「One Size Fits All」だから、この当時は未発表曲ってことになるのかな?(このライブCDの初出は1988年)
「Inca Roads」に続いて「RDNZL」ときて、ここからいよいよライブの空気が濃密になってくる。
どんどん楽器の割合が増加していき、9曲目の「Room Service」あたりで最高潮に! この曲、前日にルースがホテルで襲われそうになったという事件を元にしているらしいが、そんな内容とは無関係に演奏が熱い! 途中ザッパとナポレオンとの漫才があったりして、英語わかる人なら楽しめる。
disc2に移るとしょっぱなの「Approximate」で出鼻を挫かれます。だってこれ、映像がないと全然わかんないから。
「Ladies and gentlemen!」と掛け声で始まる「Dupree's Paradise」は現代音楽風味(全体で24分!)。こういう一面もあるよってなカンジだけど、後半ちょっとキツい。

今作の目玉が最後の方で演奏される「Montana」だろう。冒頭、観客に「Whippin' Postを演奏してくれ」といわれるが「知らないから他のにしてくれ」と。挙句「それってジョン・ケージの曲か?」だって。さらに「Montana」自体を2回もやり直す始末(演出か?)。歌詞の中に「Whippin' Post」を連発してるところがなんともいじましい。
この10年後、アルバム「Them Or Us」にて「Whippin' Post」をカバー。見事リベンジを果たしましたとさ(中盤のレゲエリズムはNGだけど、それ以外はカッコイイよ)。
楽しい歌モノから超絶インスト、はては現代音楽風味まで、とザッパの音楽性を一番カバーしているライブアルバムかも。

最後の「Big Swifty」は「Vol.1」バージョンのがいいなぁ。


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